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高周波誘導加熱を用いたマグネシウム製錬に成功

専門紙及び地方紙を含む数多くの媒体で掲載されました。
ご参考:2月10日現在、記事が掲載されている紙面です。

 グリーン・マテリアルの自給/循環社会の構築を目指す(一社)循環社会推進協議会(代表理事:熊谷枝折、以下当協議会)および協議会メンバー企業 株式会社日本海水、第一高周波工業株式会社は、国立大学法人東北大学多元物質科学研究所材料分離プロセス研究分野(教授:柴田浩幸)との共同研究により、高効率な高周波誘導加熱を用いた試験装置を開発設置、酸化マグネシウムを還元して金属マグネシウムを得る実験に成功しました。

 当協議会の製錬部会は、無尽蔵な資源である海水に由来するマグネシウムを原料とし、還元剤にフェロシリコンを用い、高周波誘導加熱による熱還元で金属マグネシウムを得る製錬技術の開発に取り組んで参りました。
 再生可能エネルギーを用いることによりCO2を発生しない加熱方法により製錬し生産されるマテリアルを「グリーン・マテリアル」と名付け、グリーン・マテリアル製錬技術開発の嚆矢としてマグネシウムを選び、その製錬方法を「グリーン・ピジョン法」と名付けました。そして、この度、グリーン・ピジョン法によるマグネシウム製錬の試験装置を開発し、還元剤をシリコンとした実証実験を行い、金属マグネシウムの回収に成功しました。(添付図1、2、3)
 マグネシウムは実用金属中、最軽量であり、構造材として用いられる他、アルミ合金の添加剤、鉄鋼生産における脱硫剤、チタン生産における還元剤などの重要な役割を果たしています。しかし、全量を輸入に頼っているため、資源の安全保障の観点から国内生産が望まれています。最近では供給国が限定されていることによるカントリーリスクも高まっています。今後、マグネシウムの利用を拡大するためには化石燃料によらない製錬技術の確立が必要です。また、海水にはマグネシウムが豊富に含まれており、海水から採取した水酸化マグネシウムを再生可能エネルギーや余剰時のエネルギーを使って金属マグネシウムに製錬することができれば、CO2の削減および資源のカントリーリスク低減の利点があります。
 また、マグネシウムはエネルギーキャリアとしても、CO2を発生しないだけでなく、エネルギー密度、保存性、輸送性等あらゆる点で優れた能力を備えています。その循環利用技術と社会システムを構築することにより、地産地消のエネルギー利用、再エネ電力供給の安定化、エネルギー備蓄による防災対策、モビリティの電動化などにおいて社会のエネルギー・セキュリティに多様に貢献することが出来ます。
 当協議会では、引き続きグリーン・ピジョン法による製錬装置の実用化開発を進めて参ります。

図1. 開発したMg製錬装置の概略図

図2. 製錬された金属Mg の外観

図3. 製錬された金属Mgの拡大写真

(補足) 一般社団法人循環社会推進協議会 製錬部会の主なメンバー
柴田 浩幸 東北大学 多元物質科学研究所 教授(製錬部会長)
(一般社団法人日本鉄鋼協会 理事、一般社団法人製鋼科学技術コンソーシアム 理事)
株式会社日本海水、第一高周波工業株式会社、東邦チタニウム株式会社、
宇部マテリアルズ株式会社 他 3社
<連絡先> 一般社団法人循環社会推進協議会 代表理事 熊谷枝折 携帯電話:09037520002)
http://www.soleil-energy.jp/   s-kumagai@ksf.biglobe.ne.jp
〒980⁻8577 仙台市青葉区片平2丁目1-1
東北大学 産学連携先端材料研究センター ℡022-217-3884(TEL/FAX)

〒980-0812 仙台市青葉区片平二丁目1-1 022-217-3884(TEL/FAX)